2018-08-17から1日間の記事一覧

切腹の流儀

切腹の流儀 事柄の性質上,誰が,いかなる方法で自刃したかなど情報が残されにくいところです。 腹部に刃物を突き刺すだけで死ねる道理もなく,介錯が不可欠であったと考えております。 さらに,刃物(場合によっては,これを模した扇子)を手に触れた段階で…

憲法事項と法律事項

捜査関係記録は,公判前に開示してはならない。これは,法律事項です(刑事訴訟法47条本文)。 しかも,同条但し書きは,公益上の必要その他相当事由が認められる場合は,この限りではないと定めます。 これに対し,国会は,国権の最高機関であり(憲法41条…

正直者は得をする

正直者は得をする。 我が国,刑事司法の話しです。 無免許運転をしても,正直に自供すれば,せいぜい罰金刑です。 ところが,自分ではなく,妻が運転していたと言い張って,書類にサインすると,ウソの文書を作成したことになり,公判請求は免れません。 ち…

外国人はウソツキ?

外国人はウソツキ? 事実と倫理を同一的に捉える我が国民にとって,これを分離する外国人の発想法が理解できず,ウソツキというレッテルを貼ってしまいがちです。 大昔,外国人の大量密入国事件がありました。 調べを進める内に,「パスポートを所持せずに入…

「民事は,全部,否認事件」

「民事は,全部,否認事件」 ある訟務部長の言葉です。判事歴約30年の方です。 もっとも,この訟務部長の発現は,検事によってお膳立ての整えられた刑事事件よりも,頭を酷使する民事事件の方が面白いという趣旨のようです。 ごく単純な貸金返還事件,例えば…

日本人正直者説の危機

日本人正直者説の危機 15年ほど前,身上・経歴調書(乙第1号証)を採用せずに却下する裁判官が現れました。 身上・経歴すなわち生い立ちに始まって,学歴・職歴・家族構成等々が記載された調書です。 私は,捜査官として,警察から送致された身上調書を補…