麻酔影響下の譫妄か?

麻酔影響下の譫妄が疑われる事案です。

人質司法であるとか取引司法と呼ばれる保釈運用の実務は,現在もなお進行中のようです。

理論的な問題よりも具体的な事実関係を検討して健全な常識にあてはめた方がより良い結論が得られそうです。

以下,引用

他の患者さんとはカーテン1枚で隔てられているだけの一般病棟の4人部屋において,公訴事実のように医療者が,消毒液が塗布されたうえ,手術時の血液が付着している可能性の高い局所を舐めた,ということは実臨床の世界では全く想像できません。

しかも,その時には,患者さんの母親がカーテンの傍らにいて,薬剤師が向かい側のベッドの別の患者さんに薬剤説明を行っていたという病院側の調査結果事実を考慮すれば,公訴事実は疑わしくなります。

また,当該患者さんご自身がその行為事実を明確に記憶できる状態であったのに対し,隣の患者さんやその薬剤師,出入りする看護師に気が付かれない程度の拒否行動や,聞き取ることができないような発言すらできない状況を誘発する薬理効果がある薬剤は存在しません。

よって,本件公訴事実については極めて疑わしいと推測されます。

本件は,おそらく,麻酔影響下の譫妄(錯視)による性被害体験患者と,その体験供述による嫌疑を受けた医師と,いずれも気の毒な立場にある事件です。

TITLE:「手術直後にわいせつ行為」起訴後も不当勾留中の外科医師の保釈を要求する | 佐藤一樹

URL:http://www.huffingtonpost.jp/kazuki-sato/doctor_demand_b_13423380.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001