再審請求と死刑執行

再審請求期間

死刑廃止論の唯一の根拠は,誤判の場合に取り返しがつかないという点にあると考えております。

刑事訴訟法475条 1項 死刑の執行は,法務大臣の命令による。

          2項 前項の命令は,判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。

             但し,上訴権回復若しくは再審の請求,非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は,これをその期間に算入しない。

475条2項を素直に読むと,再審請求が確定するまでの期間は,法務大臣命令の6か月に算入しないと読めますし,これまでの実務でも再審請求期間中の死刑執行は避けてきました。

これが,平成29年に3名の再審請求中死刑囚に対する死刑執行で口火を切り,今回の13名執行に至ったようです。

再審請求によって,執行を伸ばす戦術を封じる意味合いなのでしょうが,法文に反しますし,司法判断に先行する(取り返しのつかない)行政判断(大臣命令)との批判もあり得ると考えます。

死刑台からの生還を果たした者は,4名でしたでしょうか。

再審請求期間中の執行は,回避するべきであると考えます。