原爆が投下された日

午前8時15分:黙祷を捧げる。

あの日から73年が経過し,被爆体験を有する方も,どんどん老齢化された。

また,ひめゆり平和祈念資料館には,戦争体験のない戦後世代の館長が誕生した。

戦後世代の館長への交代は「語り部」が,沖縄戦の直接体験を有しない方に継承されたことを意味する。

ところで,先日,AIを活用した語り部の継承とも言うべき番組を視た。

高齢となったアウシュビッツ収容者から1週間の長きにわたり,収容体験を聴き取り,電子データ化する。

これをAIによって,整理する。

肝心なことは,AIが,情報を付け足さないことである。

解らないことには,解らないと答える。

質問の仕方も,抽象的な問いではAIが受け付けないので,一種のナビゲーター役(の人間)が付く。

法廷で,一問一答をするように,体験事実だけを問う。

その結果

問)アウシュビッツに収容されたのはいつですか。

答)8歳の時です。

問)収容中に最も心配だったのは,何ですか。

答)妹の安否です。

ホログラム映像が重なり,まるで本人が臨場して話しているように感じた。

また,言語認識能力はスマートフォンで自由に質問できるレベルにまで向上している。

人間の質問を正確に判断し,必要な問いを答える。

語り部の高齢化が避けられない以上,AIによる語り部もひとつの選択肢であると感じた。