訴訟指揮

よく質問を受けますので,裁判の進行について,私の考えるところを,簡単に説明致します。

裁判は,裁判所の訴訟指揮に基づいて進行します。

裁判において,裁判所は,最終段階で判決を書くという行司役をします。

その前提として,裁判の進行過程では,当事者双方の主張の順番及び内容を整理させ,主張が噛み合うようにさせた上で進行させます。

進行調整役と言っても良いかも知れません。

もっと噛み砕いて言うと,裁判所は,毎回の期日に,当事者あるいは当事者双方に対し,「これこれの点について,主張しなさい。」という宿題を出します。

この宿題に対して,次の期日で「宿題の答え」を主張するということです。

判決(あるいは和解)というゴールに向かって,裁判所が進行とりまとめ役をするということです。

刑事であれば,全ての立証責任を負う検察官立証が終わった後に弁護側が立証するという解りやすい構造です。

民事でも,主張立証責任が決まっていますから,これに従って進行する道理ではありますが,裁判官の個性によっては,ギチギチとした進行もあればホンワカとした法廷もあります。