刑法の適用範囲
海外カジノ・ブックメーカーを日本国内から利用する場合の違法性
通信回線を利用すれば,海外カジノを利用することも可能でしょう。
ところで,「この法律は,日本国内において罪を犯したすべての者に適用する(刑法1条・国内犯処罰の原則)」と定められております。
ここで罪を犯したとは,実行行為の一部でも日本国内で発生すれば足りるとするのが判例・通説です。
青酸カリ入りのお菓子を日本国内から国際便で郵送して,国外でこれを食べた被害者が死亡すれば,立派な殺人罪です。
これと同様に,通信回線を利用すれば,日本国内から海外カジノに対して,即座に賭けをすることが出来るし,ブックメーカーに対して,勝利チーム予想を送信することも可能でしょう。
この勝利予想を送信する行為自体が,賭けの実行行為であり,これが日本国内で敢行された以上,刑法1条の国内犯の原則どおり,処罰の対象となると考えます。
なお,日本国民が,例えばマカオのカジノで賭博(日本国刑法185条・186条に該当する行為)をしても,国民の国外犯(3条)に規定されておらず,日本国刑法の適用はないと考えます。
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