道徳教育
道徳教育が,大きく変化した。
たとえば,道徳教育の内容として,次の事項が挙げられている。
(6) 我が国の伝統と文化に親しみ,国を愛する心をもつとともに, 外国の人々や文化に関心をもつ。
TITLE:第3章 道徳:文部科学省
URL:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/dou.htm
愛国心教育なのであろうが,例えば,この国の自然な海を埋め立てることは,郷里を愛する心なのであろうか。
自然な海を埋め立てて,荒くれた国へ提供することの,どこが愛国心なのであろうか。
この文科省のページを見ていると,一目で解ることがある。
自分の頭で考えることを放棄し,価値の併存を認めていない。
いじめをなくすための道徳教育であるとうたわれているが,いかなるカラクリでいじめ防止につながるのかが皆目解らない。
民主主義の基本である価値相対主義を否定し,国家の価値を(しかも,今日主流とされるに過ぎない価値を)押し付けて,上司の指示を守る均質な産業用ロボットを製造しようとするものであろう。
なお,この道徳教育は,その内容からではなく,早晩,崩壊するものと思われる。
道徳・教科指導案が幾つか掲載されているので,読んで頂きたい。
教師に多大なる準備時間を要求する。
また,採点方法も,点数方式ではなく,文章による評価だという。
現場の教師はクタクタに疲れているのであり,指導案のアンチョコが出回るであろうし,模範回答集を入手して,コピー&ペーストでお茶を濁すであろう。
いじめをなくすための道徳教育だそうであるが,現場の教師をクタクタにこき使い,教頭・校長らからのいじめを誘発する道徳教育だと考える。