光合成から核分裂まで
植物が太陽の恵みを受けて,光合成をします。
育った植物を人や動物が食べて筋肉を作ります。
筋肉によって農耕などを営みます。
これまでの営みは,億年単位です。
あれこれとした後,石炭を焚いて蒸気を起こすことに気づきます(産業革命)。
ようやく2~300年という過去にたどりつきました。
その後,マンハッタン計画によって,ウランとプルトニウムの核分裂を研究し始めます。
これは1940年代すなわち,わずか80年ほど過去の出来事です。
核分裂反応にウランなどを選んだのは,これまでの研究の蓄積があったからでしょう。
さらに,その爆裂効果に着眼し,ナチスドイツよりも早くに開発しようと画策したもののようです。
なお,その頃,ドイツは,未だ核分裂研究に着手しておりません。
1945年二つの核が炸裂しました。
ソ連との兼ね合いもあり,研究を継続すると共に水爆実験に着手します。
振り返ると,ほんの80年ほど過去のことなのに,原子力の平和利用と名を変えて,原子力発電に着手します。
光合成の歴史から勘定すると,瞬きほどの時間です。
全ての物質が力量を持っているはずなのに,ウランとプルトニウムのみに研究の焦点をあてた,このわずかな瞬きするような時の営みがどうしても理解できません。