自己否定

西部邁氏,死去の報に接し,邪宗門という本が頭をよぎった。

学生時代は,ラディカルな極左として生き,その後は極右に転向する。

極右といい極左といい,これが交わり,行き着く先は,メビウスの輪の如く,くっついているのだろうと考える。

ラディカリズムの接点は,相互にエネルギーを吸い尽くす,ブラックホールの如き世界であろうか。

ラディカリズムの交わった末は,存在の全否定であり,己がここにあることさえ許さないという世界があるのだろうと思う。