なぜ無料相談なのか

公式ホームページである http://law-oka.org/ を開設したのが,平成26年11月18日である。

実に愉快なひと月であった。

初回無料法律相談(休日対応)を考えたのは,日常業務では得られない喜びを得るためであるが,実に楽しい。

それは過去の体験に由来する。

本来検察庁勤務であったが,ある日,訟務検事を命ぜられ,ある法務局訟務部に配置換となった。

訟務検事として行政訴訟・税務訴訟から国立大学医学部の医療過誤訴訟などありとあらゆる事件を担当したが,訟務配置換初任故に本人訴訟事件を相当数担当した。

本人訴訟すなわち一般人が国を相手にして弁護士をたてることなく本人自らで遂行する訴訟である。

実に難解な文章を解読する必要があったが,訴状等読み進めるうちにはっとさせられることがある。

これまで考えたこともなければ発想したことすらない法律上の論点が書かれている。

これをめぐり,当時の訟務部長(判事)と盛んに議論をしたが,頭脳トレーニングとなるし,法律の基礎となる概念にまで踏み込んで考える機会を得た。

もっとも,かような議論を楽しんでいたのは,私と訟務部長判事くらいであったのかも知れない。

判事補レベルであれば,「原告本人独自の見解である。」などと排斥すると思われる(忙しすぎて議論に付き合う暇がない)。

このひと月,様々な相談があったが,相談者本人が考える問題点以外の根底に潜む問題を聞き出して,解決方法を探るなどしてきた。

この相談方法及び解決方法が適切であったのか否かは,相談者自身に尋ねるしかないが,私としては実に充実した一ヶ月であった。