危険ドラッグ

危険ドラッグ

規制が追いつかない,いたちごっこだという議論が当初なされた。

構成要件の明確性による自由保障機能(何が処罰の対象となる行為か,あらかじめ,はっきりと法律ないし法律に授権された政令で指定しておかなければならない)を重視する立場からの立論であり,尊重に値する。

これに対し,指定薬物同様の幻覚妄想作用があるのに,化学構造を一部変化させただけで法の網の目をくぐり抜けるのは如何にもおかしいという,ある意味で健全な社会常識が,末端業者の徹底取り締まりという警察行政の実務上の根拠となっているように思われる。

伝統的な刑事司法と警察行政とのバランス感覚を試される試金石のような課題だと考えている。